撥水風呂敷『ながれ』デザインコンペ2018
結果発表
この度は、超撥水風呂敷『ながれ』デザインコンペ2020に多数のご応募をいただき誠にありがとうございました。応募者の皆様のアイデアと努力を強く感じつつ審査させていただき、過去最多となる824作品の中から、下記10作品を選出しました。また、当初の予定にありませんでしたが、審査員特別賞を3点選出しました。これは各審査員より優れた作品であるとの評価と商品化後の期待を込めて、急遽、新設したものです。その他入賞作以外にも優れた作品が数多くありましたことをご報告いたします。改めて沢山のご応募に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
最優秀賞
優秀賞
審査員特別賞(イトウジュン)
審査員特別賞(久保村 健吉)
入選
審査員
久保村 健吉
超撥水風呂敷『ながれ』プロデューサー
『ながれ』は十人十色の個性的なファンが多くいます。自分らしさを大切に自信を持って応募してください。
イトウジュン
超撥水風呂敷『ながれ』クリエイティブディレクター
静岡大学客員准教授
風呂敷を平らに広げた状態で見ることはあまりありません。一度風呂敷を実際に使い、何かを包んだときの見え方を意識してみてください。
北斗 晶【特別審査員】
タレント
私は、風呂敷と共に世界中を回りました。
風呂敷の使い道は無限大です。
是非、皆さんからの素敵なデザインを期待してます。
募集要項
募集期間 | 2020年7月15日(水)~2020年10月30日(金)【必着】 |
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募集内容 | 超撥水風呂敷『ながれ』の柄デザインを募集します。 |
募集テーマ | 自由課題 |
応募資格 | 性別・国籍・年齢・職業は一切問いません。学生の方もご応募頂けます。
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提出書類 |
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応募方法 | 提出書類1~3を封筒にまとめ、下記提出先までご郵送下さい。 |
賞 |
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選考方法 |
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発表 | 2020年 12月下旬 |
提出先・お問い合わせ | 〒376-0007 群馬県桐生市浜松町1-13-24 朝倉染布株式会社 企画室 デザインコンペ係 e-mail: ※お問い合わせはメールにてお願いします。 |
その他 |
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過去の開催
審査員インタビュー
今回で5回目を迎える,超撥水風呂敷『ながれ』デザインコンペについて,審査員のお二人にお話を伺いました。『ながれ』の生みの親であるブランドプロデューサーの久保村健吉さんと,第1回最優秀賞受賞者でもあるブランドディレクターのイトウジュンさんが,この10年間を振り返り,今回のコンペへの期待を語っています。
久保村 健吉さん
イトウジュンさん
■『ながれ』デザインコンペのはじまり
イトウジュンさん(以下,イトウ):
久保村さんは『ながれ』の生みの親でいらっしゃるわけですが,2006年9月19日に発売された一番最初の風呂敷は無地染めだったんですか?
久保村健吉さん(以下,久保村):
いいえ,当社には⽔着⽤のインクジェットプリンターが有ったので最初からこれを活⽤してプリント柄の⾵呂敷からのスタートです。
イトウ:
はじめの頃はどうやって柄を作っていたんですか?
久保村:
お付き合いのあるデザイナーさんに依頼をして,何柄かデザインを送ってもらい,その中から気に入ったものを採用しました。こちらから希望の色にしてもらって作り上げたものもあります。今も定番の柄として売れている『インプレッション』や『薄墨桜』がそうですね。
イトウ:
2010年に第1回目のデザインコンペが行われましたが,どういうきっかけでコンペをすることになったんですか?
久保村:
そうですね,⾵呂敷というとこてこての和柄が多かったのですが,撥⽔という機能を持った新しい商品なので従来にない新しい作家のモダンな柄が欲しかったのです。逆にイトウさんが『ながれ』のコンペに応募されたきっかけは何ですか?
イトウ:
当時メーカーのインハウスデザイナーをしていたのですが,個人的な活動としてデザインコンペに応募することを続けていたんです。『ながれ』のコンペはJDNさんのサイトのコンペ情報の載っている『登竜門』で見つけたと思いますね。
久保村:
今回のコンペ募集要項もJDNさんの『登竜門』に載せてもらっています。当時はどれくらい応募が来るんだろう,と思いながら始めたのですが,98名の方から280作を寄せていただけたので嬉しかったですね。
■初回コンペの受賞作とその商品化
イトウ:
そこで私の応募作をグランプリ(最優秀賞)に選んでいただいたのがきっかけで今に至っているわけですが。
久保村:
『綾弧』ですね。素晴らしい柄で,今でも良く売れていますね。あまりに素晴らしかったので,それ以外の優秀賞と佳作は選べませんでした。
イトウ:
非常に光栄なことなんですが,今回のコンペではなるべく「該当なし」はなしにしたいですね。
久保村:
そうですね,ここ数回はレベルも高くなって来ているので,「該当なし」にはならないと思います。その初代グランプリの『綾弧』ですが,実は応募作と商品化した『綾弧』はちょっと違うんですよね。
イトウ:
ええ,この柄は1cm間隔の直線と円弧で構成しているので,2つのグリッドという意味で『GRId-GRId』という名前を付けました。読み方は『ぐりぐり』です。
『GRId-GRId』(イトウジュン)
久保村:
『ぐりぐり』はちょっと柄の格調と合わないんじゃないか,ということで別の名前にしてもらえませんか,とお願いしたんですよね。
イトウ:
それもそうかな,と思い,斜線の意味の「綾」と円弧の「弧」で『綾弧』という名前を付けました。それともう一箇所,風呂敷に家紋をいれる位置に10cm角の白い四角があったんですが,これも取り除いて欲しい,という要望を頂きましたよね。ちょっとクセがあるとういことで。
久保村:
両方ともすんなりと対応して頂きましたが,抵抗はなかったですか?
イトウ:
デザイナーの仕事ってそういうもので,作品を作っているわけではないですからね。より多くの人が使いやすいものに調整していくことは必要なことだと思います。
…白い四角はあってもいいんじゃないかとまだ少し思っていますが(笑)
久保村:
今回応募される方も,入賞後商品化する際に微修正をお願いするかもしれない,ということをご承知おきください。
※応募要項
(入選以上の作品は商品化される場合がございます。商品化の際には若干の調整を作者に依頼または、弊社で調整を行う場合があります。)
■ながれデザインコンペ審査のプロセス
イトウ:
今回【特別審査員】として北斗晶さんにも審査をお願いしていますよね。北斗さんがどうして風呂敷の審査を?と意外に思っている方も多いと思います。
久保村:
実は北斗さん、以前より『ながれ』をご愛用頂いており、ブログでご紹介頂いたり、
https://ameblo.jp/hokuto-akira/entry-10953657943.html
オリジナル超撥水風呂敷を制作などもされたりしています。
https://ameblo.jp/hokuto-akira/entry-12180205652.html
オリジナル風呂敷もデザインにこだわりを持って確認されていたので、今回のデザインコンペ審査でも厳しいながらもこだわり抜いた審査をして頂けることでしょう。
イトウ:
なるほど,北斗さんは試合のコスチュームもご自分でデザイン考えていたという話を聞いたことがありますし,納得です。
審査のプロセスですが,1次選考を終えた段階で,実際の布にプリントして2次選考するんですよね。
久保村:
そうですね,やっぱり紙や画面で見るのと布にして見るのとでは違うので,今までも必ずプリントして最終審査しています。
第3回(2017年)の審査風景
イトウ:
『ながれ』の実物を見たことがない人にはわかりづらいかもしれませんが,ポリエステルの布なので,一般的な綿の風呂敷とはちょっと見え方が違いますね。やはり一度実物を見て使ってから取り組んでもらうのがよいのではないでしょうか。
久保村:
『ながれ』はダイレクトインクジェットによるプリントをするので色数の制限はありません。グラデーションなども表現できます。
イトウ:
型分けが要らないのと,また96cm×96cmの一枚の大きな絵として考えればよい(柄に送りをつけなくてよい)ところが通常のテキスタイルデザインと違うところですね。PhotoshopやIllustratorで作ったRGBデータそのままでコンペに出せるので、わりと応募しやすいと思うんです。
※応募要項
(『ながれ』はダイレクトインクジェットによるプリントです。色数の制限はありませんが、片面のみのプリントとなります。
形式はRGBデータで制作された .ai(CS6以下)/.psd のみの受付となります。
96cm×96cmの風呂敷の為、4辺に縫代分の塗り足しを1cmずつ追加し、98cm×98cmで制作してください。
実寸150dpi以上で制作してください。)
久保村:
実際布にプリントする際には別のソフトで色を合わせる処理をしないといけないので、最終審査まではそれなりの手間と時間がかかってしまうんです。それでも今回は早めに結果発表まで進めたいと思っています。
(結果発表は2020年 12月下旬を予定しています)
イトウ:
こういったコンペというのは人が審査をするものなので,絶対の評価ではないんですよね。同じデザインでも審査員や審査時期(時代)が変われば結果が大きく変わることもあります。私も自分の手掛けたプロダクトが日本のデザイン賞で落とされて,納得いかなかったのでドイツの国際デザイン賞に出したところ部門最高賞に選ばれた,という経験があります。実は初代の最優秀賞に選んでいただいた『GRId-GRId』も,ほとんど同じような案で別の風呂敷コンペに2度ほど出したことがあるんですが,1度目は選外,2度目が確か「佳作」だったかな。ブラッシュアップを重ねて3度目の挑戦で結果が出たんです。もちろんインクジェットプリントでないと表現できない柄だったこともあると思いますが,勝つまで続ける,ということも大事だと思うんですよ。ですから,今回のこのコンペで結果が出なかったとしても,審査員と合わなかったな,と気持ちを切り替えて次に繋げて欲しいと思っています。まずは挑戦を!
久保村:
我々も真剣に審査しますので,皆さんからの沢山のご応募を楽しみにお待ちしています。